入れ歯を入れなきゃダメですか?
2017年10月7日
こんにちは。江戸川区小岩の歯医者さん、衛生士の内山です。
朝、晩の冷え込みがすっかり秋めいてきましたね。
さて、今回のタイトル。。
歯を失ってしまった方が、噛み合わせを維持する為に入れ歯を装着されることはよくある事です。
しかし、今まで入っていない異物がお口の中に入るのですから中々慣れるものではありませんよね。中には入れ歯を作っても結局入れなくなってしまうという方もいらっしゃいます。
残っている歯だけで噛めるのに、なぜ入れ歯を入れなければいけないのか、、、
その事についてお話しします。
日本の平均寿命は世界一ですが、平均寿命というのは=健康寿命+不健康寿命です。
2013年で男性8,4年、女性12,2年の不健康寿命が存在します。この不健康寿命を短くしなければ長生きの意味がありません。
そこに咬合が深く関わってきます。
失った歯の代わりに入れ歯や、被せ物をいれることで、①口腔機能の向上②運動器の機能向上③栄養改善の3つがあげられます。
①口腔機能の向上
元々、お口の中に20本以上の歯が残っている方は全く歯がない方(入れ歯なし)より生命予後は有意に良いことはわかっていました。さらに、歯を失った人にブリッジなどの被せ物の治療を行うと、その事で噛み合わせが安定している人が一番長生きするといわれています。また、全く歯がない方でも入れ歯を入れている方と入れていない方では、入れ歯を入れている方が約2倍長生きするそうです。
それだけでなく、全く歯が噛み合う歯がない場合、嚥下の機能が低下することで誤嚥が増えるともいわれています。入れ歯を入れることで誤嚥性肺炎のリスクが下がるのです。
②運動器の機能向上
咬合支持と身体のバランスが関係していることは以前から分かっていましたが、咬合と転倒にも関わりがあることも分かってきています。なくなった歯を補う為に入れ歯を装着することで⇒元の状態の身体のバランスを保つ⇒結果的に運動器の機能向上が起こり、転倒や骨折などの予防に繋がります。
③栄養改善
噛む歯がないことで食事が上手く出来ず、小食になり体重が落ち、骨粗鬆症などの危険も高まりますが、しっかり噛める入れ歯を入れることで食事が出来、栄養面が改善されることも。さらに体重・血清アルブミンを増加させ、低栄養を改善する可能性があることが分かって来ました。
歯は骨格の一部ですので何らかの原因で歯を失ってしまう事があったら必ずその歯の代わりとなる被せ物や入れ歯を入れましょう。もしも、痛みなどでそれが難しい場合は、お気軽にご相談下さい。